新しいタネの発見について考えてみる

今出川潤です。
前回は、小説新人賞にてプロ並に鍛えられた専門学生を仮想敵にした時、どういった戦略をとれば勝ち残れるのか、を考えました。
今回はその考えの続きです。うまくいくかは知りません。

さて、前回は基本的な戦略として「その場にいる誰もがやっていないことを、誰ともカブらない形でやって魅せる方法」が良い、としました。
今回は、「その場にいる誰もがやっていないこと」とは何か? を考えていきます。

そもそも、誰もがやっていないことはどうやって探せばいいでしょうか。
ウェブで検索? これでは遅過ぎて効率がよくないと思います。ウェブの中からマイナなモノを探すのはとても厳しいでしょう。
日常的に、定点観測的にどこかを観察していれば、新しいモノを発見するのはそう難しくないと思います。
ただ、そこにあるのは既に誰かが手を加えたものばかりです。発見するのは自分だけじゃないかもしれません。
本を読んで探すのはどうでしょうか。これもよさそうですが、効率が悪いのはウェブと同じです。
っていうか僕は速読できないし!

それよりも、もっと発見に適している場所があります。
たぶんそれは、日常生活の中だと思います。
といっても、ただ日常生活を過ごすだけじゃダメです。
経験的視点で日常を見ることで、新しい発見をすることができると思うんです。

例えば、電車の窓から外を見たとします。
そこから、まだ田植えが始まってない田んぼ、看板、アスファルトの道、犬を散歩中の女性が見えたとします。
生物学者なら、田んぼを見て田植えに適している季節を考え始めるかもしれません。
民俗学者なら、田んぼと看板とアスファルトからこの地域の文化がどのように変化しているか想像できるかもしれません。
画家ならパースを想像するかもしれません。
都会育ちの子供なら、田んぼの匂いに驚くかもしれません。
ナンパ屋さんなら、女性の年齢を推測するかもしれません。
たとえ同じ景色だったとしても、その人の職業、その人が人生で得てきた知識や経験のフィルタを通すと、見えてくるものが全然違ってくるんです。

経験や知識が人によって違うのだから、そのフィルタを通して得られるものも人によって違うでしょう。
大人になると、そのフィルタはきっと個性的なものになっているでしょう。
これが、「その場にいる誰もがやっていないこと」の発見のヒントだと思うんです。
そのフィルタを通して、見えてくるものをなるべく見てみる。
見えないものは仕方ない。なるべく想像しながら、見えるものを徹底的に見て、組み立てていく。
この結果は、きっと人によって違うものになります。
もし何かを発見できたら、とりあえず、よく調べてみましょう。もしかしたら、大発見かもしれないです。
もし発見できなかったら? もうちょっと注意して探してみましょう。
それでも発見できなかったら? 作家になるのを諦めましょう。

……と、ここまでで、なんだか抽象的な話に終始しているのは、僕自身が半信半疑だから、というのがあります。
僕もそんなに小説書くのうまいわけじゃないし……。
なんとなく、ここらへんじゃないかな、という手探り状態です。

とりあえず、ここまでで「その場にいる誰もがやっていないこと」を探すヒントが見つかった気がします。
次回はそれを「誰ともカブらない形でやって魅せる」には? ということを考えてみます。
続きを憶えていたならですが……。

小説新人賞を制するための戦略を考えてみるシリーズ

  1. 小説新人賞を制するための戦略を考えてみる
  2. 新しいタネの発見について考えてみる  ←いまココ
  3. 想像力の射程と限界について考えてみる
  4. 小説の個性について考えてみる
  5. 競う相手は誰かを考える

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